代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏


EM・ONE(画面の下方向にキーボードをスライドさせた状態)
 かねて1.7GHz帯での携帯電話事業参入を発表していたイー・モバイルが,参入第1弾の端末と通信サービスを発表した。

 端末「EM・ONE(エムワン)」は,下り3.6Mビット/秒のHSDPA規格に対応するとともに,IEEE802.11b/gとBluetoothインタフェースを備える。シャープの奈良工場(奈良県大和郡山市)で開発したもので,ディスプレイにシャープ製の4.1型液晶パネル(800×480画素)を採用した。3次元映像表示技術のベンチャーであるヤッパが開発したGUIソフトウエアを組み込んでおり,直感的な操作が可能になるという。

 OSはWindows Mobile 5.0である。WordやExcel,PowerPoint,PDF形式のデータ・ファイルを閲覧できる。筐体は,操作部が画面の右側と下側の2方向にスライドする機構を採用した。一般的なパソコンと同じ配列のキーボードを搭載しており,筐体の厚さをこうしたタイプの端末として世界最薄の18.9mmに抑えた。ワンセグ受信機能や有効画素数131万のCMOSカメラも搭載している。

定額5980円でADSLもセットに

 サービス開始は2007年3月31日。開始当初は通信エリアが東名阪の主要地域に限られる。ただし,同年6月には国道16号線の沿線(東京都,神奈川県,千葉県,埼玉県の一部)や神戸,大阪近郊にもエリアを広げ,将来は全国展開を目指す。

 料金・価格は,端末代金と初期費用の合計が3万9800円,月額基本使用料は5980円だ。2009年2月までにこの「EMモバイルブロードバンド」と,イー・アクセスが提供しているADSLサービスを併せて申し込むと,両サービスの合計の基本使用料から毎月1500円を割り引くキャンペーンも実施する。ADSLサービスの基本使用料が1500円/月であるため,実質,ADSLサービスが無料でついてくる形だ。


会見に駆けつけた協業企業のトップ(左上から時計回りに,OSを提供したマイクロソフトの代表執行役社長であるDarren Huston氏,端末開発を担ったシャープの代表取締役副社長である松本雅史氏,GUIを提供するヤッパの代表取締役社長である伊藤正裕氏,チップセットを提供した米Qualcomm Inc.のCEOであるPaul Jacobs氏)