NTTドコモ 代表取締役社長の中村維夫氏 |
携帯電話番号ポータビリティ(MNP)を利用した転入出の状況を,代表取締役社長の中村維夫氏は,「auさんの一人勝ち。当社からは市場シェア通りに流出した。転入は2割」とまとめた。MNPによる業界全体の転出数の55%程度がドコモからの転出で,転入数の20%程度がドコモへの転入だったとみられる。同氏は今後の巻き返しについて「春商戦の行方次第。MNPが絡んでくるので予測しづらいが,au端末と当社端末の価格の乖離がどの程度になるのか,そこがポイントになるはず」と話している。
また,会見冒頭で同氏は,「FOMA D902i」に用いた三洋ジーエスソフトエナジー製Liイオン2次電池に不具合があった件で(Tech-On!関連記事),ユーザーへのダイレクト・メールによる告知が完了し,これまでに92万個の電池を交換したと報告した。販売を見合わせていた「D902i」「D902iS」「D903i」の販売も2007年1月27日に再開している(発表資料)。
PC向けサイトを閲覧できるパケット定額制を導入
決算発表と同日,NTTドコモは,料金プランの新サービス「パケ・ホーダイフル」を発表した(発表資料)。iモード用サイトだけでなく,パソコン向けWWWサイトを含めたパケット通信サービスを,税込み5985円/月の定額で受けられるというもの。2007年4月に発売予定のHSDPA対応端末「P903iX HIGH-SPEED」では,パソコン向けの動画コンテンツもこの定額料金で視聴できる。
NTTドコモとしては,パケット定額サービスでARPU(1契約当たりの月間平均収入)低下に歯止めをかけたい考えだ。「音声通信のARPUが低下しつづける中,パケット通信のARPUをどこまで引き上げられるかが重要。パケット定額サービスは,利用料が定額に満たないユーザーが加入するケースもあり,ARPUにプラスの要因となっている」(中村氏)。同社の2006年10月~12月期におけるARPUは6670円で,前年同期から3.6%の下落だった。
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