NTTドコモが,次世代の移動体通信規格「Super3G」に対応する装置の共同開発メーカーの募集を始めた。今回,募集するのは基地局と携帯電話端末の開発メーカーそれぞれ1社であるが,今後商用化に向けて増やすことになるもようだ。

 今回の募集期間は2006年8月23日までで,2006年10月ごろに選定する。その後,2007年中ごろに試作機によるデモを実施し,2008年には商用基地局,2009年には小型の移動機の納入が始まるという。2009年から2010年には商用サービスを始める予定にしている。

Super3Gは,W-CDMAの拡張技術であるHSDPA/HSUPAをさらに発展した標準規格で,データ通信速度は下り方向(ネットワークから端末)が100Mビット/秒,上り方向(端末からネットワーク)が50Mビット/秒以上。現行方式に比べて,遅延時間を抑え周波数の利用効率を向上させている。アクセス方式としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)およびSC-FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)を利用する。

 標準化の母体はW-CDMAの詳細規格を策定している3GPPで,2006年に基本検討がほぼ終了した。詳細仕様は2007年に完成する予定としている。3GPPにおける名称は,Long Term Evolution(LTE)だが,同規格を推進するNTTドコモは当初の提案時から「Super3G」と呼んでいる。