無線伝送規格「ZigBee」の物理層を策定したIEEE802.15.4部会は,日本のUHF帯でZigBeeを利用するための拡張仕様を議論する専門の作業部会(Task Group)を,2007年1月にも立ち上げる。名称は「Task Group 4d(TG4d)」。既に検討部会(Study Group)として活動を進めていたが,2006年末にも作業部会に昇格する見通しとなった。

 ZigBeeが物理層に利用するIEEE802.15.4規格では,日本では2.4GHz帯を利用している。一方で北米では915MHz帯を,欧州では860MHz帯などを利用することが可能である。2.4GHz帯に比較して回り込みが容易で電波が飛びやすいほか,無線LANなどとの混信の可能性が軽減されることから,国内の潜在利用者から,日本でも欧米と同種の帯域での利用を開放して欲しいという要望が出ていた。

 現在総務省において,950MHz帯をアクティブRF-IDタグ(無線タグ)に向けて開放するための審議が進んでいるが,同作業部会はこの帯域でIEEE802.15.4の物理層を適用することを提案している。実現すれば,ZigBeeなどに利用した場合に伝送距離を大幅に伸ばすことが可能となり,用途を広げられる可能性がある。ただし利用帯域やチャネル幅が狭まるため,従来の物理層の仕様を多少変更する必要があるという。策定活動には沖電気工業などが参加している。