低消費電力を特徴とする短距離無線通信規格の1つ。アルカリ乾電池で6カ月~2年間にわたって通信できることや,メッシュ型ネットワークを自律的に構成することを想定し,業界団体のThe ZigBee Alliance,Inc.が仕様を策定した(表)。物理層から,ネットワーク層とアプリケーション層をつなぐ「APS(application support)副層」までを規定している。物理層~MAC副層にはIEEE802.15.4を利用する。データ伝送速度を最大250kビット/秒と低く設定する代わりに,データ伝送距離は70m~300mと長くした(図)。アドレス長は最大64ビットで,サブネットには16ビット(ノード数で最大6万5536個)を割り当てる。ZigBee Allianceは温度センサなどを備えるセンサ・ネットワーク端末のほか,電灯や空調設備などの遠隔制御用途を想定している。


表 「ZigBee」の主な仕様
データ伝送速度は最大250kビット/秒(日経エレクトロニクス2003年3月17日号より抜粋)


図 ZigBeeは低消費電力で低価格の無線通信を目指す
携帯機器への搭載を目指すBluetoothよりも,ZigBeeは一層の低消費電力,低価格の領域を目指す。(日経エレクトロニクス2003年3月17日号より抜粋)