HDDレコーダーを販売する米TiVo Inc.は,インターネット上にある映像コンテンツをテレビで視聴するための5つのサービスを立て続けに発表した(ニュース・リリース)。「TiVoは,放送,ケーブルテレビ,そしてブロードバンド経由のコンテンツを区別なく視聴できる唯一の手段になる。ある映像コンテンツがどこから来たか,ユーザーは思い煩う必要がなくなるだろう」(TiVo社 President and CEOのTom Rogers氏)。

 インターネット上の映像コンテンツをリビング・ルームのテレビに届ける試みは,これまでにも複数の企業,業界が独自のアプローチで手掛けている。例えばIntel社の「Viiv」,Apple社の「iTV」,国内家電メーカーの「acTVila(アクトビラ)」,そして「プレイステーション 3」「Xbox 360」「Wii」といったゲーム機などがある。

 TiVo社はこれらの動きに先駆ける形で,ネットワーク経由のコンテンツと録画コンテンツを統合して扱えるようにするTiVo Series2/Series3向けのプラットフォーム「Tahiti」を2005年1月に発表している(Tech-On!関連記事123)。これらのサービスもTahiti戦略にのっとったものとみられる。

1.統一検索機能
 TiVo社は,放送,ケーブルテレビ,ブロードバンドから映像コンテンツを検索できるサービス「Unified Search」を2007年より開始する。放送やケーブル経由の録画コンテンツと,インターネット上で配信されるコンテンツを区別なく一括して検索できる。

2.CBS InteractiveなどがTiVoCastサービスに映像を提供
 インターネットからTiVoに映像データを配信する「TiVoCast」サービスについて,TiVo社は新たにCBS Interactive,Reuters, Forbes, dLife, Plum TV,Nanoからコンテンツの提供を受ける契約を交わした。今までパソコン上でしか視聴できなかったブロードバンド・コンテンツを,TiVo上で視聴できるようになる。TiVoCastは,2006年初頭からTiVo社が始めたサービスである。

3.Autotranscode
 TiVo社は,インターネットで配信されている映像データのうち,TiVo端末では直接表示できない形式のデータでも,専用ソフトを導入したパソコンを通じてTiVo端末で表示可能なフォーマットに変換できるサービス「Autotranscode」を提供する。

4.映像共有サービス
 TiVo社は,オンライン映像/画像共有サービスを手掛ける米One True Media社と提携して,ビデオ・カメラなどで撮影した映像を遠隔地の友人や家族と共有できるサービスを提供する。具体的には,あるTiVo端末がアップロードした映像コンテンツを,別のTiVo端末で視聴できる。送信者の個人コードを知らない他人はこれらのコンテンツを閲覧できない。2007年第1四半期からサービスを始める。

5.ハリウッド俳優事務所との提携
 TiVo社は,ハリウッド俳優事務所「ICM(International Creative Management)」と提携したと発表した。TiVo社は,著名人がお勧めの番組リストを配信する「TiVo Guru Guide」を提供しているが,今回ICMに所属するハリウッド俳優やディレクターを著名人リストに加えた。TiVo社のユーザーは,著名な俳優やディレクターが薦めるテレビ番組の情報を入手し,それらのコンテンツを自動的に録画できる。サービスの開始は2007年前半からである。