高速無線アクセス規格「WiMAX」ベースの無線通信サービスを展開する米Clearwire Corp.は，米国ボストンで開催中のWiMAX関連のイベント「WiMAX World Conference & Exposition 2006」の基調講演で，サービスの普及状況について報告した。2006年9月末の時点で加入者数は世界市場で16万2000人に達したという。Clearwire社は，WiMAXの普及を推進する米Intel Corp.やMotorola社の投資部門から出資を受けている（Tech-On!の関連記事）。
Clearwire社は，WiMAXベースの固定無線通信サービスを2004年第3四半期に米国市場で導入し，2005年10月には欧州へ同サービスの展開も始めた。加入者数は，2005年5月に1万人だったが，2005年12月には5万人を獲得していた。米国における提供エリアは，カリフォルニア州やテキサス州，フロリダ州の各都市で，現在は31都市に上る。2006年末には34都市まで引き上げる意向だ。
Clearwire社は現在，通信速度が異なる複数のサービスを提供中だ。米国市場では，下りのデータ伝送速度が最大768kビット/秒と最大1.5Mビット/秒の2種類がある。欧州市場では最大1Mビット/秒と最大3Mビット/秒のメニューを提供する。「顧客から寄せられたデータ伝送速度への要求を考慮しながら，メニューを設定している」（Clearwire社）という。
Clearwire社は，同社が提供する無線通信サービスの普及度やARPU（ユーザー1人当たりの平均月額収入）を，ケーブルテレビやDSLの値と比較した調査結果も公開した。競合技術に比べて高い普及度やARPUを維持しているとし，無線を使ったブロードバンド・サービスの可能性を強調した。
