Liイオン2次電池モジュールが回収対象になる「dynabook Satellite AW4シリーズ」
Liイオン2次電池モジュールが回収対象になる「dynabook Satellite AW4シリーズ」
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 東芝は2006年9月19日,同年3月から5月に製造した同社製のノート・パソコンのLiイオン2次電池モジュールを無償回収すると発表した(発表資料)。ごくまれに,充電または放電できなくなる問題が起こるとする。

 無償回収の対象になるのは同社の「dynabook AX/8」,「同CX/8」,「同TX/8」,「同VX/7,「同Satellite CW1」,「同Satellite AW4」,「同Satellite AW5」,「同Satellite A100」シリーズの一部。対象製品の出荷台数は全世界で約34万台,このうち日本向けは約4万5000台である。

 ソニー広報によると,当該の2次電池モジュールはソニーエナジー・デバイス製のセルを利用し,ソニーが組み立てて東芝に納入した。今回の不具合は2次電池モジュール内で採用した絶縁紙に酸性の物質が含まれていたことが原因。絶縁紙と接触したモジュール内の制御回路の部品が腐食して機能不全に陥るという。

 セル自体の問題ではなく,発熱,発火の恐れもない。この点で2次電池モジュールの大規模回収に結びついた米Dell Inc.や米Apple Computer Inc.のケースとは異なるという。また,同時期に東芝以外の他社向けに出荷したモジュールは内部構造が異なり,絶縁紙が回路部品と接触しないため,東芝と同様の問題は起こらないとする。