超広帯域を利用する無線技術「UWB」が,ついに日本で解禁となった。2006年8月1日付けの官報(号外第176号)で,告示された(発表資料)。

 米国では2002年2月に規制緩和されていたが,それに続くかたち。これを受けて,国内でも対応機器の発売が可能となった。早ければ2006年末から2007年前半にも,対応機器が市場に登場することになりそうだ。

 告示されたのは,「超広帯域無線システムの無線局の無線設備」。指定周波数帯域は3.4GHzから4.8GHzまで,および7.25GHzから10.25GHzまで。このうち3.4GHz~4.8GHzの帯域に関しては,ほかの無線サービスに対する干渉軽減技術を備えることが求められている。ただし,4.2GHz~4.8GHzまでの帯域に関しては,2008年12月末日まで干渉軽減技術を利用せずとも使用可能とする時限措置がとられる。

 出力電力は,いずれの帯域においても平均で-41.3dBm/MHz以下(ピーク値は0dBm/50MHz以下)。ただし,3.4GHzから4.8GHzを利用する機器で干渉軽減技術を具備していない場合には,平均で-70dBm/MHz以下(ピーク値は-30dBm/50MHz以下)となる。通信方式および変調方式に関しては,特に限定しない。無線設備の送信速度に関しては,50Mビット/秒以上の送信速度が必要となった。ただし,雑音による干渉の回避のために送信速度を低減させることができるという。

 総務省は今後の対応については,「まず干渉軽減技術の姿を明確にするための議論を進めることになる。さらに,測距などのセンサ用途での開放に関しても議論する。今回は屋内のみの開放となったが,屋外利用に関する議論も行う。加えて,自動車のレーダなどで利用する24GHz帯の規定についても作業部会などを立ち上げ直して議論していく」(総務省の担当者)という。

(なお関連する記事を,『日経エレクトロニクス』2006年8月14日号に掲載予定です。)