図●出願件数の構成比(特許庁の発表資料より)
 特許庁は2006年5月10日,色素増感型太陽電池に関する特許の出願状況について調査結果を報告した(発表資料)。1988年にスイスEcole Polytechnique Federale de Lausanne(EPFL:ローザンヌ工科大学)のMichael Graetzel氏らが色素増感型太陽電池の基本となる特許を出願して以来,特許庁が調査を実施した2005年8月までに,全世界で1372件の特許出願が行われた。そのうち,約75%の1034件が日本への出願となっている。調査時点での登録数は134件で,こちらは米国が72件でトップ。日本が32件で続く。

 出願人別動向としては,富士写真フイルムが238件と圧倒的に多い。ただし,同社は1997年に出願を始めて1999年をピークに件数は減少している。一方,2位以下に続くシャープ(62件)やソニー(54件),フジクラ(49件)は2001年以降,増加傾向にある。海外の出願人としては,14位に米Konarka Technologies, Inc.,15位にEPFLが入った。

 技術分野別には,半導体膜や電荷輸送材,色素に関する出願が中心。電池製造技術に関するものも1998年以降,出願件数を伸ばしている。技術課題で分類すると,光電変換効率の向上に関するものが圧倒的に多く,次いで製品としての信頼性に着目したものが続く。量産技術やプラスチック化を含めた軽量化,可暁化,意匠性などに関する出願もあるが,まだまだ少ない。