経済産業省は,電気用品安全法(通称:PSE法)に基づく「PSEマーク」がない中古家電について,顧客に製品を引き渡したのちに事後検査でPSEマークを取得する,という販売形態を認めた(Tech-On!関連記事1同記事2)。PSEマークを取得するまでの期間は,業者が家電を顧客にレンタルしているとみなす。

 もともとPSE法は,レンタル品には適用されないという穴がある。経済産業省は,PSE法の運用を見直して「レンタル品」の概念を大幅に広げたことで,PSEマークがない中古家電の販売を事実上認めた形だ。

 経済産業省は,漏電検査機器が検査所や中古品業者に行き渡るとされる数カ月後に,中古品業者が自主的に事後検査を実施することを期待している。ただし,このような事後検査を業者に義務付ける法的根拠はなく,あくまで業者の判断に委ねる形となる。

 以下,今回の見直しの要旨を,経済産業省などへの取材を基にQ&Aの形でまとめた。

Q. 今回の運用見直しは,いつまで有効なのか。

A. 原則として,期限はない。ただし,今後の法改正で,PSE法にレンタル品に関する規制が新たに加わる可能性はある。

Q. レンタル期間に期限はあるのか。

A. ない。PSE法がレンタル期間に関する期限などの規制を定めていない以上,経済産業省が独自に期限を定めることができない,というのが同省の立場である。

Q. PSEマークを取得していない新品の家電でも,「レンタル品」と称せば顧客に売れるのか。

A. 違法と考えていい。顧客に製品が渡る前に,BtoBのやり取りの段階でPSE法が適用され得るためだ。具体的には,工場で製造した製品を,小売店,輸入業者,レンタル事業者などに受け渡す際,PSEマークがない製品を受け渡すのは違法となる。よって,PSEマークがない新品が通常の流通過程に入ってくるのは難しい。ただし,直販の形で製造業者が顧客に新品を受け渡すという販売形態が,法律のグレーゾーンとして残る可能性はある。