図1 プレイステーション 3の発売延期を表明したSCE 代表取締役社長の久多良木健氏
図1 プレイステーション 3の発売延期を表明したSCE 代表取締役社長の久多良木健氏
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 ソニー・コンピュータエンタテインメント 代表取締役社長の久多良木健氏は,「プレイステーション 3」(以下PS3)の発売日延期の発表とあわせ,PS3のハードウエアやサービスの最終仕様の一端を明らかにした。

 同社はPS3の「Key Features」として,以下の7つの機能を実現することを明言した。

  1. 「プレイステーション」および「プレイステーション2」の上位互換機能を,発売初日のPS3から実現する
  2. Blu-ray Discプレーヤの最新の仕様に準拠する
  3. 従来のSDTV受像機から,最新のフルHDTV受像機まで対応する
  4. 最新版のHDMIインタフェースを搭載する
  5. ブロードバンド・ネットワーク接続機能を持つ
  6. 無線接続機能を持つ
  7. すべてのPS3へのハード・ディスク装置の搭載を前提とする

「Managed Copy」に対応か

 久多良木氏は「すべてのプレイステーション 3に,Blu-ray Discプレーヤ機能を搭載する」と改めて表明した上で,さらに「Blu-ray Discプレーヤの仕様の最新版に対応する」と宣言した。

 次世代光ディスクの規格については,コンテンツ保護規格である「AACS」が2006年6月をメドに,パッケージ・メディアに収録したコンテンツをHDDなどにコピーできるオプション機能「Managed Copy」を規定する予定。PS3が搭載するとされるハード・ディスク装置とあわせ,Managed Copyに対応したBlu-ray Discプレーヤとなる可能性がある。

ハード・ディスク装置を…標準搭載?

 「『PS3には全部,HDD有りが前提』と考えている。コスト圧力は大きいが,市場はHDDを要求している」

 久多良木氏はこのような表現で,プレイステーション 3にHDDを標準搭載することを示唆した。ただし,同じ会見の中で「全部のPS3に(HDD)入れてしまえ!ということになるかどうかは,市場次第」と発言するなど,オプション搭載とする可能性もにじませた。

 PS3が搭載するのは,Serial ATAに対応した60Gバイト,2.5インチ型HDDである。Linux OSを標準で搭載する予定。このほか「HDDを載せる以上,デジタル家電としての使い方も視野に入れている」(同氏)として,プレイステーション 3にホーム・サーバ機能を持たせる可能性も示唆した。

BDゲームはすべてBD-ROMで提供

 このほか久多良木氏は,PS3向けゲームの配布メディアを「BD-ROM」に統一することを明らかにした。PS3が搭載するBlu-ray Disc装置はCDやDVDの再生も可能だが,ゲーム・ソフトウエアの配布にはCDやDVDを使わないことになる。

 このためSCEは,日本,米国,欧州でBD-ROM媒体の生産拠点を設けることを明らかにした。PS3の発売当初から,日本では250万枚/月,米国では500万枚/月,欧州では250万枚の生産規模を確保する。媒体の価格については「決して,巷の評判にあるような1枚10米ドルという値付けではなく」(久多良木氏),現行の2層DVDと近い値を目指すとした。

ネットワーク・サービスは無料でスタート

 PS3向けのネットワーク・サービスは,PS3の発売日と同時に開始する。基本サービスは無料とする。SCEがオンライン・ショップを用意してコンテンツのダウンロード販売を行うほか,ダウンロードしたゲームをHDDから起動できるようにするという。

図2 久多良木健氏が語るPS3の「Key Features」
図2 久多良木健氏が語るPS3の「Key Features」
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