プレステ2の画像処理LSIを活用へ

  ソニー・コンピュータエンタテインメント 代表取締役社長の久多良木健氏は,1999年9月17日から開催された「東京ゲームショウ'99秋」の講演で,グラフィックス・ワークステーション市場に本格参入することを明らかにした。3次元グラフィックスを駆使した映像の作成者に向ける。ゲーム・コンテンツだけでなく,映画の制作現場への普及をねらう。1999年9月13日に発売した,プレイステーション2向けの開発ツール「DTL-T10000」はその第1弾に過ぎないという(関連記事)。

 計画では2000年にDTL-T10000の10倍程度の処理性能を備える第2世代の機種を発売する。内蔵するEmotion Engineの動作周波数を向上したり,主記憶(現行品は128Mバイト)の容量を増やす。複数のGraphics Synthesizerを搭載する可能性もある。2002年には処理性能をDTL-T10000の100倍に引き上げた機種を投入する予定という。さらに2005年には同じく1000倍の処理性能を備える機種を製品化することを考えている。

 「プレイステーション2向けに大量に製造するEmotion EngineとGraphics Synthesizerを活用して高性能なグラフィックス・ワークステーションを実現できるのがわれわれの強み。将来はグラフィックス・ワークステーションの開発で培った技術を,家庭用ゲーム機に転用することも考えている。こうしたビジネス・モデルは,既存のワークステーション・メーカでは実現できなかった」(久多良木氏)。