NTTドコモは,いわゆる第4世代移動通信システムに向けに伝送実験を屋外で実施し,最大2.5Gビット/秒のパケット信号伝送を達成したと発表した。占有周波数帯域幅は100MHz。周波数利用効率は25ビット/秒/Hzとなり,非常に高い。移動局装置は,約20km/hで走行しても信号を受信できるという。

 同社は2005年5月にも同様な実験をして最大1Gビット/秒の伝送速度を確認している(Tech-On!の関連記事)。今回は,従来のシステムのうち,変調方式を16値QAMから64値QAMに変更して多値化を進めた。さらにMIMO(multiple input multiple output)のアンテナを4×4から6×6に増やすなどして,高速伝送を実現した。

 無線アクセス方式として,VSF-Spread OFDM(可変拡散率-拡散直交周波数分割多重)を用いた点や,MIMOで多重された信号の分離方式にNTTドコモ独自の最尤判定法(MLD:maximum likelihood detection)を用いた点は従来と変わっていない。