NTTドコモは,第4世代移動通信システム(4G)向けの無線アクセス実験装置を用いた屋外試験で,下り方向について1Gビット/秒の信号速度を得た(発表資料)。2005年4月25日に取得した無線局実験免許を用いて,2005年5月9日に達成したものだという。

 神奈川県横須賀市で行った今回の実験では,時速約20kmで移動する装置を用いた。同社は2004年8月,室内における実験で下り方向について1Gビット/秒を達成していた(Tech-On!の関連記事)が,今回は屋外に持ち出した場合でも同等の信号速度が得られることを確認したことになる。

 さらにさかのぼると,2002年10月に高速移動時の室内実験で100Mビット/秒の信号伝送に成功している。2003年5月から開始した屋外実験では,100Mビット/秒の信号伝送を実証済みである。

 実験システムは,無線アクセス方式としてNTTドコモが開発した「VSF-Spread OFDM」と空間多重技術「MIMO」を併用するもの。4個の送信アンテナと4個の受信アンテナ,16値QAMのデータ変調,符号化率8/9のターボ符号化を用いた。受信側で信号を分離する方法としては「最尤(さいゆう)判定法(MLD:maximum likelihood detection)」を採用した。ここではNTTドコモ独自の信号分離法を適用,信号処理量を大幅に削減した。