HSDPA対応機をアピールするSamsung社
HSDPA対応機をアピールするSamsung社
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薄型の音楽再生対応機をアピールするMotorola社
薄型の音楽再生対応機をアピールするMotorola社
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 移動体通信関連のイベントでは世界最大級の「3GSM World Congress 2006」が,2006年2月13日からいよいよ始まる。その名称が示すように,同イベントには欧州を中心に普及しているGSM方式の携帯電話およびその発展形であるW-CDMA(3G)などに関する技術や製品,部品などが多数出展される。BRICs(ブラジル,ロシア,インド,中国)市場を中心とした携帯電話ユーザーの広がり,先進地域でのマルチメディア市場の成熟などを受け,今回は規模がさらに拡大した。

 出展社数は962に上り,これは前回の40%増という。来場者は約5万人と予想されており,開催地は昨年までのフランスのカンヌ市からスペインのバルセロナ市へと移った。多くの来場者を迎えるバルセロナ空港では,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.と米Motorola,Inc.の巨大看板が目を引いた。Samsung社は高速データ通信(HSDPA)対応機種,Motorola社は音楽再生機能付き機種をアピールする。

今回のテーマは「融合」

 ちょうど1年前に開催された同展示会では,GSMの契約数が10億に達したことを受け「次の10億契約の獲得」が目標の1つとして掲げられた(Tech-On!の関連記事)。携帯電話の機能のほとんどを1個のLSIに集積した「1チップ・ケータイ」など,BRICs市場向けの低価格品関連技術への注目度が高かった。今回もBRICs市場の分析セッションが開催されるなど,引き続き関心を集めそうだ。

 今回のイベントでは高機能品への注目度が上がりそうだ。というのも,主催者が掲げるテーマが「通信とメディア,娯楽,コンテンツ配信の融合」だからである。このテーマに沿った出展が期待されるほか,携帯電話機が搭載し始めたテレビ放送の受信機能や著作権保護技術関連の解説セッションも予定されている。