ソニーのBlu-ray Discプレーヤの初代機「BDP-S1」。「筐体の素材にいたるまで高級感にこだわりを持った」(ソニー)。
ソニーのBlu-ray Discプレーヤの初代機「BDP-S1」。「筐体の素材にいたるまで高級感にこだわりを持った」(ソニー)。
[画像のクリックで拡大表示]

 ソニーは,Blu-ray Discプレーヤの初代機「BDP-S1」を「2006 International CES」の開幕前日に開催した記者会見で初公開した。「デザインや仕様は確定しており,事実上の製品発表である」(ソニー)。ただし出荷時期は初夏(early summer)と説明するにとどめたほか,価格は未定という。

 ソニーはBlu-ray Discプレーヤを製品化するにあたり,商品の高級感を訴求する戦略を打ち出している。「画質はもちろん,筐体に至るまで高級感へのこだわりを重視した」(説明員)。例えば筐体の素材にはアルミ材料を,フロント・パネルの保護板には青色蒸着を施したガラスを採用している。既存のDVDプレーヤの筐体は樹脂の射出成形品で,フロント・パネルの保護にはアクリル板が使われている。現在のところソニーは価格は未定としているが,比較的高めの値付けを狙っているものと見られる。

 同社のグループでは,ソニー・コンピュータエンタテインメントが2006年春に「プレイステーション3」を出荷する予定である。プレステ3はBlu-ray Discの再生専用媒体に対応し,1080pの出力が可能(関連記事1)。価格の発表はまだないが,1000米ドル近くというような高い値付けにはならないと周囲は予測する。実際,「プレイステーション 2」のときには当時のDVDプレーヤよりもずっと低い価格で購入でき,日本のDVD市場が立ち上がるのを支えた経緯もある。ソニー陣営は,プレイステーション 3でBlu-ray Discの普及の基礎を固め,Blu-ray Discプレーヤの単体機ではAV(オーディオ・ビジュアル)の熱烈なファンを取り込もうとしているようだ。これは,499米ドルと低価格のHD DVDプレーヤを用意してHD DVDの普及を牽引しようという競合陣営の東芝などとは対照的な方針といえよう(関連記事2)。

 ソニーは今回発表したBlu-ray Discプレーヤを利用して,大型ディスプレイに映像を出力するデモンストレーションを披露している。大型ディスプレイには今回初披露となる82型液晶テレビ(関連記事3)のほか,2005年秋に北米で出荷を始めた60インチ型リアプロジェクション・テレビ「KDS-R60XBR1」を活用している。

60インチ型リアプロジェクション・テレビに,Blu-ray Discプレーヤの映像出力を表示する実演を見せた。
60インチ型リアプロジェクション・テレビに,Blu-ray Discプレーヤの映像出力を表示する実演を見せた。
[画像のクリックで拡大表示]
パソコンに向けた外付け用Blu-ray Disc記録再生装置も出展した。USB2.0インタフェースでパソコンと接続する。
パソコンに向けた外付け用Blu-ray Disc記録再生装置も出展した。USB2.0インタフェースでパソコンと接続する。
[画像のクリックで拡大表示]