図1 壇上に報道陣が押し寄せる
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図2 プレイステーション3本体を持つ久多良木健氏
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図3 プレイステーション3本体とコントローラ
図3 プレイステーション3本体とコントローラ
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 「1080p出力に標準で対応」
 「今回のグラフィックスLSIは,最新のパソコン用グラフィック・カード『GeForce6800Ultra』と比べて処理性能が2倍」
 「Bluetooth内蔵で,無線コントローラが7台接続できる」
 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE) 社長兼グループCEOの久多良木健氏が次世代ゲーム機の詳細を公表するたびに,会場は熱気と興奮に包まれる。プレイステーション3の本体を見せたとたん,数多くの報道陣が写真を撮ろうと壇上の前に殺到した−−。

 SCEは,米国西海岸時間15時からE3の開幕に合わせてロサンゼルスで開いた発表会で,次世代ゲーム機「プレイステーション3」の詳細を明らかにした(ニュース・リリース)。2006年春に発売する。

 搭載するCellプロセサの動作周波数は3.2GHz。2005年2月にISSCCで発表した試作チップは「4GHz以上」で動作するとしていたが,歩留まりや放熱を考慮して量産品に搭載するチップの動作周波数は抑えたようだ。Cellが内蔵する信号処理プロセサ「SPE」の数は7個とした。実際には8個載っているが1個は「リダンダンシー(冗長性)のため」に使うという。「歩留まりの問題から7個にする判断を下した」(SCE)。米NVIDIA社製グラフィックスLSIの動作周波数は550MHzで,1080pの映像を2チャネル出力できる。主記憶として256MバイトのXDR DRAM,ビデオRAMとして256MバイトのGDDR3 RAMを搭載する。

 ゲーム・ソフト媒体にはBD-ROMを採用する。容量は2層で最大54Gバイト。「プレイステーション2がDVDの普及に果たしたのと同じ役割を,プレイステーション3が果たすことになる」(ソニーの久多良木健氏)。著作権保護技術に対応することで,HDTV画質のコンテンツ供給を受けられるようにしたという。HDTV映像の表示機能は,720pや1080iに加えて1080pを標準でサポートする。2系統のHDMI出力端子を搭載する。

 通信機能については,3ポートのEthernet端子のほかIEEE 802.11b/gの無線LAN機能,Bluetooth2.0を標準で搭載する。Bluetoothで最大7台のワイヤレス・コントローラを接続できる。このほか,同社の携帯型ゲーム機「PSP」を無線LAN接続でコントローラとして使えるほか,IPネットワーク経由で家屋外にあるコントローラも接続できる。

 デジタル・カメラなど他のデジタル機器との連携を深めるためか,入出力機能が充実している。6つのUSB2.0端子に加え,メモリースティック,SDカード,CompactFlash,そして2.5インチ型ハード・ディスク装置のそれぞれに向けたスロットを用意する。USB2.0端子には有線のコントローラを接続できる。

浅川 直輝=日経エレクトロニクス,蓬田 宏樹=シリコンバレー支局


■次世代ゲーム機については日経エレクトロニクス5月23日号 What's Newで詳細をお届けしています。