カナダNortel Networks Corp.とソフトバンク・グループのBBモバイル,韓国LG Electronics Inc.の3社は,第3世代移動体通信システム(3G)の高速データ通信仕様である「HSDPA」とモバイル版WiMAX,IEEE802.16e(以下16e),無線LANの3種類の無線基地局間でIP電話やビデオ通信などをハンドオーバーする実証実験を埼玉県で実施した。HSDPAには1.7GHz帯,16eには2.5GHz帯,無線LANは2.4GHz帯をそれぞれ利用した。

 Nortel社とBBモバイルは,2005年6月に1.7GHz帯を利用するHSDPAの実証実験を実施(Tech-On!の関連記事1),次いで3Gと無線LAN間でのハンドオーバー実験も実施した(関連記事2)。今回は,それらに16eを加えた格好となった。

 実験に利用した「モバイル端末」は,無線LAN機能を内蔵したパソコンに16e機能を実装した端末を接続し,さらに3Gの携帯電話用PCMCIAカードを装着したもので,現状では1筐体に統合してはいない。Nortel社とLG Electronics社は,2006年中の実用化を目指して16eシステムを共同開発中である。既に,両社は通信インフラ事業での合弁会社を設立することで2005年8月に合意した。