ソフトバンク・グループのBBモバイルとカナダNortel Networks Corp.は第3世代移動体通信システム(3G)向けに新たに割り当てが検討されている1.7GHz帯の周波数帯域を用いて,14.4Mビット/秒の高速データ伝送の実証実験に成功したと発表した。16値QAMやQPSKといった複数の変調方式を伝送路の雑音状況に応じて切り替える「適応変調方式」を採用するなどして,下り方向のデータ伝送速度を高速化する「 HSDPA (high speed down link packet access)」を用いた。

 1.7GHz帯は現在,総務省が新規事業者にも割り当てようとしており,BBモバイルやイー・アクセスなどが名乗りをあげている。今回の実験は埼玉県にある実験施設で行っているもので,韓国LG Electronics Inc.製の携帯電話機を使った。フィールド試験の内容としては複数の基地局と端末を用意して,まずは基本性能の確認を行ったとする。2005年になってNortel Networks社は「3GSM World Congress 2005」で英mmO2 plc.とフランスOrange PCS社,「CeBIT 2005」では英Vodafoneグループなどと共同でHSDPAの検証実験を展示している。