グッドデザイン賞,大賞は「iPod」などを抑えて世界一細いインスリン用注射針
日本産業デザイン振興会は2005年10月25日,2005年度グッドデザイン賞の大賞を選出した。大賞を受賞したのは,テルモの世界一細いインスリン用注射針「ナノパス33」( Tech-On!参考記事)。「患者の痛みを軽減する」というコンセプトで,岡野工業(本社東京)と共同開発したものだ。ナノパス33について審査員は「ニーズが不可能を可能に変えた一つの事例で,日本のものづくりに一石を投じた商品」としている。板金を丸めて溶接し,刃面を加工する,という製造方法や技術に対する評価も高い。
選出を前に同日,応募者によるプレゼンテーションと審査対象の展示も開催した。プレゼンテーションにおいてテルモは,宝石用の箱の中に製品を入れ,患者のニーズに応えるものであることを強調。PR用のVTRを「痛くない」という患者の生の声で締めくくり,同製品に対する市場での評価を紹介した。展示では,製品を拡大した模型によって,ダブルテーパー形状を説明。さらに拡大鏡を使って実物を見ることで,細さを体感できるようにした。
医療機器が大賞を受賞するのは初めて。そのほか「トップ15」には,アップルコンピュータの携帯型音楽プレーヤー「iPod Shuffle」や,プラマイゼロ(本社東京)の加湿器「±0 XQKP020」のように,ファッション性や造型の美しさに対する評価が高い製品もあった(Tech-On!参考記事)。その中でナノパスが大賞を受けたのは,消費者や産業への貢献度が大きいため。そこには,「技術力や安全性,価格といったさまざまな要素のバランスを重視する」(審査委員長の喜多俊之氏)という審査姿勢が現れた格好だ。













