「64本の動画を同時再生しても,プロセサの処理にはまだ余裕がある」という
「64本の動画を同時再生しても,プロセサの処理にはまだ余裕がある」という
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 開発ツール・ベンダーのCRI・ミドルウェアは,千葉市の日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開催中の「東京ゲームショウ2005」において,Xbox 360で64種類の動画ファイルを一斉に復号化し再生するデモを実施している。同社の動画再生ミドルウエア「CRI Sofdec」を用いたもの。

 再生している個々の映像の画素数は128×80で29.97フレーム/秒,符号化データ速度は800kビット/秒~900kビット/秒の水準。符号化方式は「MPEG-1およびMPEG-2をベースに,独自の拡張を施したもの」(説明員)という。64種類の動画ファイルをDVD媒体から読み出し,Xbox 360が搭載するPowerPC系プロセサで復号化して表示している。「Xbox 360は約3.2GHz動作のプロセサ・コアを3個搭載しているが,64ストリームの同時再生の場合は1個のプロセサ・コアで処理できる程度の負荷で済む。必要があれば,さらに多くの動画を同時に復号化することも可能」(説明員)という。

 このほか,1920×1080画素(1080p)で60フレーム/秒と高画質の動画再生,アルファ・チャネル(透明度)やZ値(奥行き)のデータを追加した動画の再生,音声再生ミドルウエア「CRI ADX」を用いた音楽データのマルチストリーム再生といったデモも実施している。なお,2005年4月に東芝は,ソニー・グループや米IBM Corp.と開発したマイクロプロセサ「Cell」を使うことで,SDTV品質のMPEG-2ストリームを48本同時に復号化できることを「COOL Chips VIII」で示している(Tech-On!の関連記事)。

 同社ではCRI SofdecとCRI ADXを,複数のXbox 360向けゲーム・ソフトのメーカーに供給済み。プレイステーション3やRevolutionなど他のゲーム機に向けても,「引き合いがあれば応じていきたい」(説明員)としている。