48本のMPEG-2ストリームを表示
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 東芝は,ソニー・グループや米IBM Corp.と開発したマイクロプロセサ「Cell」を使うことで,SDTV品質のMPEG-2ストリームを48本同時に復号化できることを明らかにした。2005年4月20日から22日に横浜で開かれた「COOL Chips VIII」で,復号化の様子を収めたビデオを上映した。

 上映した処理の内容は,ハード・ディスク装置に格納した48本のMPEG-2ストリームを同時に読み出し復号化した後に,各映像を縮小して8×6のタイル状に並べた画面を1920×1080画素のディスプレイに出力する,というもの。録画済みの映像を一覧表示する際に,サムネイルを動画で見せるといった用途を想定している。一連の処理のうち48本のMPEG-2ストリームの復号化にはCellが備える8個の信号処理プロセサ「SPE」のうち6個を,画面のスケーリングに1個を使った。残りの1個のSPEはまったく別の処理に利用できることになる。

 Cell向けソフトウエアの開発効率の向上を目的に東芝が構築した,ソフトウエア実行環境を用いた。この実行環境は,SPEで実行するソフトウエアのスケジューリング機能を備えるため,アプリケーション・ソフトウエアの開発者がどのスレッドをどのSPEに割り当てるかを意識せずにプログラムを記述できる,といった特徴がある。

複数のSPEを使ってパイプライン処理をするプログラミング・モデルの例
複数のSPEを使ってパイプライン処理をするプログラミング・モデルの例
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