KDDIと沖縄セルラーは,CDMA 1X方式のau携帯電話機の製品系列に,シニア層をターゲットとする「簡単ケータイS A101K」と「簡単ケータイ A5517T」を加える(発表資料)。2005年10月中旬より全国で順次発売する。

 同社は「簡単ケータイ」として2005年6月よりシニア層向けの端末「W32K」を販売しているが(Tech-On!関連記事),A101Kのように通話機能に特化した端末を発売するのは今回が初めて。

呼出音量調節,短縮ダイヤル付き

 A101Kは,子会社であるツーカーが2004年11月よりシニア層向けに販売している「ツーカーS」と同じ京セラ製である。ツーカーSと同様,液晶パネルを搭載せず,音声通話だけに機能を絞り込んだ。スライド式電源スイッチや大型の操作ボタンを採用して,「携帯電話機の操作が苦手な人にも簡単に使えるようにした」(KDDI広報)という点も同じである。ただし,変えた点もある。例えば,通話時間や待受時間ではツーカーSに劣るものの,短縮ダイヤル・ボタンを3つ装備する,呼出音量を「大/中/なし」の3段階で調節可能なダイヤルを備えるなどである。どの音量を設定しても着信すると筐体が震えるようになっており,実質,マナーモードを備えたといえる。

 一方,A5517Tは東芝製である。こちらは2.4インチ型で,240×320画素の液晶パネルを搭載しており,折りたたみの形状を採っている。有効画素数130万のカメラも内蔵した。テンキーは折りたたみ機種では最大級の大型キーパッドを採用している。直径20mmの大型スピーカを搭載しており,受話音量を大きくする「でか」モードを設けた。

※以下は,2005年9月7日に,日本経済新聞の報道を受けて追記したものです。

ツーカー→auの無料変更は「検討中」

 2005年9月7日に,「KDDIは,ツーカー契約者が同じ電話番号のまま無料でauに機種変更できる制度を2005年10月に導入する」と日本経済新聞が報じた。今回発表した簡単ケータイSをツーカーSの乗り換え用端末として顧客に提案するという。これに対してKDDIは,「ツーカーグループ3社の吸収合併を発表した際に,いずれはそうした対応も検討すると言及したが,具体的なことが決まっているわけではない。導入するかどうかを含めて検討中」(KDDI広報)とコメントしている。