実演の様子。1対の評価用ボードの間で無線データ伝送を行った。
実演の様子。1対の評価用ボードの間で無線データ伝送を行った。
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米Sierra Monolithics, Inc.製のRFトランシーバ・モジュールを活用した。発熱量が多いため,デモンストレーションでは小型の扇風機を利用して基板を空冷していた。
米Sierra Monolithics, Inc.製のRFトランシーバ・モジュールを活用した。発熱量が多いため,デモンストレーションでは小型の扇風機を利用して基板を空冷していた。
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総務省から取得した実験用の無線局免許。
総務省から取得した実験用の無線局免許。
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 米Intel Corp.の日本法人であるインテルは,広域無線アクセス規格「WiMAX」の無線データ通信を「ワイヤレスジャパン2005」(2005年7月13日から開催)で実演している。Intel社は2005年3月に米国で開催した「IDF(Intel Developer Forum)」において同様の実演を手掛けているが,国内でWiMAXの実演を披露するのは今回が初めて(Tech-On!の関連記事)。

 インテルは今回の実演のために,総務省から実験局免許を取得した。認可された無線周波数は3.42GHzで,帯域幅は3.5MHz幅である。出力は2.5mW。実演では一対の評価用ボードを使い,約9Mビット/秒のデータ伝送を確認して見せた。評価用ボードは,Intel社が開発したベースバンド/MAC処理LSI「PRO/Wireless 5116」を使って構成したもの。物理層は米IEEEの標準規格「IEEE802.16-2004」に準拠する。RFトランシーバには,米Sierra Monolithics, Inc.製のモジュールを活用した。

 PRO/Wireless 5116の仕様上の帯域幅は10MHz幅である。ただし実験局免許として今回取得した帯域幅は3.5MHz幅であり,今回の実演ではこれに従った。変調方式は64値QAMであるため,ベースバンド信号の伝送速度は約13Mビット/秒になる。実際の伝送速度は約9Mビット/秒であったため,実効的な伝送速度として約70%を確保できたことになる。