台湾BenQグループは,ドイツSiemens AGの携帯電話機事業を買収する(発表資料)。ブラジルやドイツにある開発・製造拠点を取得するほか,全世界の6000人に上る従業員もBenQ社の携帯電話事業に統合する。

 BenQ社は5年間に渡って,「Siemens」ブランドを利用できる。これによりBenQ社の携帯電話機事業は,地元のアジア市場に加えて,Siemens社の知名度が高い欧州や中南米市場にも足がかりを築いたことになる。同社Chairman & CEOのK.Y. Lee氏は発表文の中で「世界の有力携帯電話機メーカーの1社になるという目標に近づいている」 とコメントしている。

 Siemens社の携帯電話機は,一時はNokia社に次ぐ市場シェアを持っていた時期もある。しかし,ここ数年は,Motorola社やSamsung社に抜かれて4位に下げていた(Tech-On!の関連記事1)。ただし,2005年2月開催の「3GSM World Congress」や同3月開催の「CeBIT 2005」などのイベントでは,高速データ通信「HSDPA」や携帯機器向けの放送技術「DVB-H」のデモを行うなど存在感を示していた(Tech-On!の関連記事2Tech-On!の関連記事3)。