筆者が持っているのは「LocationFree TV」の7インチ型の携帯型機。
筆者が持っているのは「LocationFree TV」の7インチ型の携帯型機。
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 Sony Corporation of Americaの担当者によると,今後に同社がネットワーク機器の代表として力を入れるのは「LocationFree TV」である。これは日本流に言うと「エアボード」。製品としては既に日本でも発売されているものだが,そのネットワーク機能は,米国に駐在する日本の会社員たちにウケそうだ。

 ソニーは初代のエアボードから「家の中でユーザーがテレビの前に行くのでなく,テレビがユーザーの前に来る」というコンセプトの下を打ち出し,それを「ロケーション・フリー」と表現してきた。今回はそこでの「家」の概念を「世界」へと拡大した。家の中のロケーション・フリーでは,無線LANを使うことで手元の端末にテレビ番組のデータを引き寄せていた。今回はインターネットを通じて,遙か彼方の受信機でとらえたテレビ番組をユーザーの手元に引き寄せるのだ。まったく大胆なロケーション・フリーだ。

 「米国には,日本と比較にならないほどWiFi(無線LAN)のエリア,いわゆるホット・スポットがあります。コーヒー・ショップや,ホテルで無線LANが使えます。そうした場所で,簡単に日本のテレビ番組がリアルタイムで見られるのですから,日本人駐在員の間で人気が出るでしょう」と米Sony Electronics Inc.の担当者は言った。

 既に2004年12月には,全米に12カ所あるソニー直営店の「Sony Style」で,売り上げランキングのナンバーワンに躍り出た。パソコンで無線LAN経由の映像を見るソフトウエアも開発して今回のCESで見せ(Tech-On!の関連記事),ロケーション・フリーのユーザー向けにCD-ROMで頒布する計画も立てている。

 米国のユーザーにも,家庭に置いているHDD録画機「TiVo」の映像がWiFiエリアで見ることができるというのはウケるに違いない。LocationFree TVの製品としては,12インチ型の「LF-X1」と7インチ型の「LF-X5」の2機種があるが,携帯性に優れた7インチ型の売れ行きが抜群という。

パソコン用のアプリケーション
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