高周波スイッチングと薄型トランスで，電源をさらに薄く

薄型テレビ用スイッチング電源の技術トレンド ─最終回─

昨今，液晶テレビを中心に薄型化が加速しており，テレビに搭載する電源モジュールを薄くしたいという要求が強まってきた。連載最終回では，電源モジュールのさらなる薄型化への取り組みとして，高周波スイッチング技術と薄型トランス技術，試作した5.2mm厚の超薄型モジュールについて解説する。

混合プラスチックを家電に，三菱電機が大規模再利用

再利用量は600トンから7000トンへ

　三菱電機は，使用済み家電製品のリサイクル工程で発生する「混合プラスチック」から，主要3大プラスチックであるPP（ポリプロピレン），PS（ポリスチレン），ABS（アクリロニトリルブタジエンスチレン）を99％以上の高純度で回収する技術を開発した。

シャープ，LED照明事業の勝算，センサなどの活用がカギに

器具の効率化には液晶テレビの技術などを生かす

　シャープが，LED照明事業に参入した。当面は工場やオフィスなどの業務用照明を対象としており，2008年9月に蛍光灯の置き換えを狙った「ストレート型」「スクエア型」と，商業施設などでの利用を想定した「ダウンライト型」の3種類を発売した。

「全部入り」ケータイの最新進化形

「FOMA 906i」シリーズの全8機種を分解した。ワンセグ，FeliCa，GSM，HSDPA，GPSなどの多数の機能を搭載した上で，アンテナの内蔵や筐体の薄型化を実現する各社の取り組みが見えてきた。多機能と薄型を両立するため，雑音対策が以前に増して難しくなっている様子が見て取れた。主に「多機能化」…

「やっちまえ」精神で乗り切った，ユーザー数の超拡大

米MySpace社，躍進期のWebサイト開発

　2004年秋のある土曜日，Aber Whitcombはガール・フレンドと久しぶりのディナーを楽しんでいた。AberはWeb技術者で，その1年ほど前の2003年9月にサービスを始めたSNS（social network service）である「MySpace.com」を立ち上げた一人だ。

Google版ブラウザーの狙い，OSに比肩するプラットフォームに

高速JavaScriptエンジンと堅牢性が特徴

　米Google Inc.は2008年9月2日，Webブラウザー「Google Chrome」のβ版を公開した。かねてうわさのあったWebブラウザーを今，投入した理由は何か。Google社が進めるクラウド・コンピューティングにとって，Webブラウザーの安定性と高速性の重要度が高まっており，Chrom…

「クラウド」がもたらす，コンピューティングの新時代

─「クラウド・コンピューティング」という言葉が広く使われるようになりました。Google社がクラウド・コンピューティングを志向するのはなぜでしょうか。　我々は今，コンピューティングの変化の時代の入り口に立っています。これまで人々は，機器がもっとパワフルになり，もっと小さくなるという進化が続くと信じて…

ベトナム，インドへ進出急ぐ，中国拠点を補完する戦略に力

from 台湾

　「機を見て敏なり」を地で行く台湾のエレクトロニクス・メーカーが，ある戦略を着々と推進している。中国に進出して一大生産拠点を築いた企業が，現地での人件費の高騰や外資優遇政策の変更などさまざまな投資リスクを回避するため，中国以外のアジア諸国に第2の拠点を設ける戦略，いわゆる「チャイナ・プラス・ワン戦略…

第7回●装置とのデータ転送を軽減するDMA

出題と解説●ET 教育フォーラム（末石 吾朗，根岸 永建，坂井 直美）

「組み込み寺子屋」は，組込みシステム技術協会（JASA）が実施する「組込みソフトウェア技術者試験（ETEC）」（http://www.jasa.or.jp/etec/）の対策問題を使って，組み込みシステムの基礎を学ぶコラムです。ET教育フォーラムは組み込み教育コンテンツの企画や開発を行う団体で，ET…

松下電器がモデル駆動開発を導入，約7万行のソース・コードを自動生成

IBM社のMDDツール「RoseRT」を採用

　松下電器産業は，同社の携帯型AV機器の組み込みソフトウエア開発に，モデル・ベース開発手法の一種である「モデル駆動開発（MDD）」を採用していることを明らかにした。

次号予告　2008年10月6日号

3Dディスプレイ，3度目の正直

　最近になって，3次元映像を3Dのまま表示するハリウッド映画やディスプレイが急増している。日本では，専用のテレビで3D映像を見せる放送が始まった。かつても3D映像が一時的にブームになったことがあった。しかし今回は様子が違う。映画という巨大なコンテンツ産業が，映画館，そして家電製品の3D映像への対応を…

メニーコア化に突き進む，次世代プロセサ

今回で20回目を迎えた国際会議「HOT CHIPS」は，マイクロプロセサの今後の動向を占う意味で重要な学会である。今回は発表の多くがメニー・コアに関連したものだった。一方，マイクロプロセサ最大手のIntel社が開催した開発者会議「Intel Developer Forum（IDF）」も，機器の将来動…

多数の人の声を一度に聞き分ける聴覚センサ

音声認識システムは開発の歴史こそ長いが，実際に使われている場面はさほど多くない。理由の一つに，騒音や他人の声が割り込むと認識率が大きく低下することがあった。京都大学の奥乃氏の研究室は，さまざまな音が混在する音環境の中から，特定の人の声や音楽を分離・抽出することで認識率を安定させるシステムの研究を進め…

RF回路をチップに集積，低IF型受信機の設計法を解説

CMOS RF回路設計入門 ─最終回─

過去8回にわたって，CMOS RF回路の設計に必要な回路方式や要素回路を解説してきた。最終回となる今回は，2.4GHz帯向け低IF型受信機チップの設計方法を詳細に解説する。さらに「ISSCC 2008」で発表された論文の中から，最新CMOS RFチップの具体例を紹介する。