3D映像が映画館から
街角,ゲームや家電に広がる

第1部<動向編>
火が付いた映画の3D化,
家電の標準化の動きも

 最近になって,3次元映像を3Dのまま表示するハリウッド映画やディスプレイが急増している。日本では,専用のテレビで3D映像を見せる放送が始まった。かつても3D映像が一時的にブームになったことがあった。しかし今回は様子が違う。映画という巨大なコンテンツ産業が,映画館,そして家電製品の3D映像への対応を強力に牽引している。「3度目の正直」となるのか。3D映像を巡る,最新事情を解説する。

第2部<技術開発編>
より自然な3D映像を追求,
ホログラフィの開発も前進

 3D映画やデジタル・サイネージといった用途開拓の進展と同期して3Dディスプレイの開発も活発になってきた。メガネ式から,究極の3D映像とされるホログラフィまで,さまざまな技術の開発競争が激しくなっている。近い将来,ケータイ,ゲーム,そしてテレビに至るまで3D対応製品が市場を席巻する可能性が出てきている。

第3部<新用途編>
触って使える3D映像,
新しいメディアに発展へ

 3D映像は「見るだけ」ではもったいない。触ったり,持ち運んだりできるほか,遊び相手にもなる。画面の中に入って通信相手に会いに行ったり,会いに来てもらったりなど,2D映像ではできなかったことが実現する。ページをめくるごとに3D映像が浮き出るような新しいメディアも登場する。映像と実体との区別を小さくし,映像の新しい使い方を切り開く。