第1部<動向>
タッチ・センサが開発の要に
携帯機器が市場を牽引

 タッチ・パネルやタッチ・スイッチといった「タッチ・センサ」が,電子機器に本格的に使われ始めた。誰にでも使いやすい簡単なユーザー・インタフェースを提供できるのはもちろん,新機能の追加やデザイン性の向上など機器に新たな付加価値をもたらすからだ。機器メーカーにとってタッチ・センサの利用環境は今後ますます改善されていく。タッチ・センサの使いこなしの巧拙が,機器開発の成否を左右する時代がやって来る。

第2部<技術>
抵抗膜でもマルチタッチ
操作感を高める開発進む

 タッチ・センサの技術開発が活発化している。主な方向性は二つ。抵抗膜,静電容量といった方式ごとに抱える課題を解決することと,方式の違いを超えた共通の課題を克服することである。目指すは,画面を通じて物体の質感をも伝えられるタッチ・センサの開発だ。