指やペンなどで触れた部分を検知できる透明なデバイスのこと。一般に,液晶パネルなどのディスプレイ上に配置して利用する。ディスプレイに表示したスイッチに触れて機器を操作する,指やペンでなぞったディスプレイ上の軌跡を読み込ませて文字や絵を手書き入力する,といった用途で使う。

 タッチ・パネルの用途は幅広い。ATMや自動券売機,POS,複写機,パソコン,カーナビ,PDA,ゲーム機などのように,身の回りにある数多くの機器で利用されている。中国では,漢字入力用に携帯電話機にタッチ・パネルを搭載する事例が増えている。

 接触部を検知する手法は大きく5つに分類できる。抵抗膜方式,静電容量方式,光学方式,表面弾性波(SAW)方式,電磁誘導方式である(表1)。機器の大きさや使い方に合わせ,所望の方式を選ぶことになる。

 例えば,ゲーム機やPDA,携帯電話機といった5型以下のパネルを搭載する機器には,小型品を用意できる抵抗膜方式や電子誘導方式が候補になる。このうち,指やペンで入力し,かつ打点寿命が100万回で十分ならば抵抗膜方式になる。高い分解,100万回を超える打点寿命が必要な用途では,専用ペンで入力する電子誘導方式を選ぶことになる。

表1 タッチ・パネルの方式別性能比較
(日経エレクトロニクス2006年7月3日号より抜粋)
表1 タッチ・パネルの方式別性能比較