携帯機器に欠かせなくなったLiイオン2次電池。その容量を飛躍的に高める技術に,大きな進展があった。

 ソニーは,従来の炭素材料(グラファイト・カーボンなど)の代わりにSi系材料を負極に用いたLiイオン2次電池を試作,電気化学会 第75回大会で成果を報告した。電極の単位重さ当たりの放電容量が実測値で3500mAh/g以上と,グラファイト・カーボンの理論容量の最大値である約370mAh/gの10倍程度に相当する。この材料を使えば,Liイオン2次電池の容量を現行の数倍に高めることも可能になる。ソニーがSi系材料使う高容量Liイオン2次電池の試作成果を発表したのは,今回が初めて。