2003年の猛暑をきっかけに,ここ5年で約2.3倍と急拡大を続ける欧州エアコン市場。この伸びをがっちりと掌握しているのが日本メーカーだ。トップランナー方式で磨いた省エネ技術と,気候変動で降ってわいた欧州市場の需要が,運よく合致した結果のように見える。しかし実際には,10年以上かけて整備したアフターサービス網から,地道に現地ニーズを拾って製品に反映させる体制をつくった点に強みがある。

 「欧州市場が好調で売上高が伸びた」─。三菱電機,富士通ゼネラル,三洋電機,松下電器産業など日本エアコン・メーカーの多くは2007年10~12月期の決算発表で異口同音の説明をした。例えば日立アプライアンスは,2007年度の欧州市場における家庭用エアコン売上高が前年同期比50%増になると見込む。