基板,部品,製造…あらゆる段階で回避策を練る

はんだ接合不良は,何か一つの原因があるというよりは,複数の要因が重なり合って生じる場合が多い。そのため,回路設計,基板設計,機構設計から製造部門までが要因となり得るパラメータに注意し,管理を徹底しなければならない。熱設計担当者が全体を一貫して管理するのが理想的だ。(宇野 麻由子=本誌)

国峰 尚樹
サーマル デザイン ラボ 代表取締役
藤田 哲也
ジィーサス モノづくり技術サービス部 担当部長

 熱設計によってはんだ接合不良を防ぐために考えるもう一つの課題は,はんだの温度マージンである。何度も述べているようにPbフリーはんだの採用が今後,はんだ接合不良の大きな要因になるとみられているからだ。Pbフリーはんだは従来の共晶はんだに比べると,硬くて応力緩和しにくく,温度マージンが小さい。はんだの温度マージンに合わせてはんだ接合部分の温度を設計で管理できるか否かが,はんだ接合不良を防ぐカギとなる。