第1部<インパクト>
パンドラの箱開けたGoogle
ケータイ開発の大転換が始まる

 Google 社が,携帯電話の市場に参入した。インターネットに接続できる携帯電話機の開発に必要なOSなどを無償で誰にでも提供する。携帯電話事業者や端末メーカー,半導体企業やソフトウエア開発者などはおおむね歓迎の意を表する。無償なだけでなく,サービスとの親和性やオープンソース方式の開発手法などの魅力があるからだ。ただし,これらは諸刃の剣だ。サービスの提供や機器の開発に参入した第三者に,主導権を奪われかねない。話は携帯電話機にとどまらず,ネットにつながるあらゆるデジタル機器に広まる可能性がある。

<インタビュー>
オープン,そして無償 新たな文化をケータイに

Andy Rubin氏
米Google Inc. Director of Mobile Platform

第2部<Android解剖>
2年後の携帯電話を想定し
パソコン並みの機能を実現

 携帯電話機のソフトウエアは,一朝一夕には作れない。2008年にも登場するAndroidも,現時点で公開されているのはまだごく一部である。ただその構成や設計思想は,公開された範囲から浮かび上がってくる。カーネルはLinuxだが,それ以外の部分はLinuxとはかなり違う。独自の仮想マシンを重視した設計だが,一方で既存のJavaプログラムとの互換性を生かそうとするなど「いいとこ取り」を目指している。