携帯電話機に内蔵できる超小型プロジェクターに壁掛け液晶テレビ,次世代携帯電話の基地局,そして消費電力の小さい白物家電に小型かつ高出力なハイブリッド車─。全く別物であるこれらの機器の進化に関し,ある同じ材料がカギを握っている。それがGaN系半導体である。このGaN系半導体を使った最新のデバイスなどが一堂に会す国際学会「7th International Conference of Nitride Semiconductors(ICNS-7)」が2007年9月16~21日に米国ラスベガスで開催された。ICNS-7では発振波長を長波長化したレーザ素子,高出力の白色や緑色のLED,出力電力が大きい高周波素子,電気特性を高めたノーマリー・オフ動作する素子といった成果が数多く報告された。

 これらの素子が実用化すると,冒頭の機器がグッと現実味を帯びてくる。GaN系レーザを長波長化し緑色光を発振できれば,超小型プロジェクターの実現に近づく。現在は赤色や青色はあっても緑色の半導体レーザはないからだ。出力が低いとされる緑色LEDを赤色や青色並みに高出力化できれば,液晶テレビのバックライトの消費電力を削減できる。