電子情報技術産業協会(JEITA)と電池工業会(BAJ)は,ノート・パソコン向けLiイオン2次電池を安全に利用するためのガイドライン「ノート型PCにおけるリチウムイオン2次電池の安全利用に関する手引書」を策定した。2006年に大きな話題となったLiイオン2次電池の発火・破裂事故を契機に,2006年後半から手引書の策定を両団体が共同で進めており,このほど内容がまとまったもの。ノート・パソコン充電時における電圧管理の徹底の重要性に言及するなど,ノート・パソコンの電池パック設計に大きく踏み込んでいる。手引書の策定にかかわった担当者が,内容を詳説する。

中尾 健治
電子情報技術産業協会 ノートPCリチウムイオン電池安全利用特別委員会 技術検討WG 主査
レノボ・ジャパン サービス事業部 お客様相談室 室長

 2006年8月以降,Liイオン2次電池を搭載したノート・パソコンの発火問題による自主回収が複数のパソコン・メーカーで発生し,パソコン利用者の安全を守るための自主交換プログラム発表が相次いだ。

 電子情報技術産業協会(JEITA)と電池工業会(BAJ)は,業界団体として電池の安全性に対する消費者の不信感を払拭する狙いで,共同での取り組みを2006年後半から開始した。JEITAは2006年10月,消費者がLiイオン2次電池を安心して利用するための情報発信および技術検討を目的とした,「ノートPCリチウムイオン電池安全利用特別委員会」を発足させた。