日本メーカーが得意とする据置型カーナビの販売台数を抜き去り,2006年に世界市場で年間販売1000万台を超えた簡易型カーナビ(PND)。カーナビは今後,低価格帯のPNDと高機能なHDDカーナビに2極化する可能性が高い。急拡大するPND市場は部品メーカーなどにとっても大きな収益源となり得る。PNDの需要が高まったことで,PNDを販売する企業も今や,30社を超えた。各社間での差異化競争により,PNDは急加速で進化を遂げそうだ。

 「あっという間にPND(personal navigation device)にやられてしまった」(日本のあるカーナビ・メーカー幹部)─。もはや欧州でカーナビといえば,PNDのことを指すといっても過言ではない。PNDとは,5型以下の液晶パネルと地図データを保存したフラッシュ・メモリを組み合わせ,地図を表示しながら道案内ができる簡易型カーナビのことである。