有機ELパネルは,有機化合物によるEL(electroluminescence)現象を利用した表示デバイス。EL現象とは,物質が電界などによって受け取ったエネルギーを光として放出すること。自発光型ならではの応答速度の速さや視野角の広さに加え,特に色鮮やかな表示特性が特徴で,次世代ディスプレイとして以前から将来を嘱望されてきた。

 2007年に入り,アクティブ・マトリクス(AM)型有機ELパネルに対する周囲の期待があらためて高まってきた。フィンランドNokia Corp.やKDDIが,2型台の小型品を携帯電話機のメイン画面に採用したり,ソニーが「2007 International CES」で,テレビに向けた27型のフルHD(1920×1080画素)対応の試作品を展示し,その完成度の高さが関係者をうならせたりしたからだ。