液晶パネルや有機ELパネルなどの方式の1つ。画素ごとに表示/非表示を制御するスイッチ回路を設ける。画素ごとに複雑な回路を形成する必要があるが,パッシブ・マトリクス方式と比べて応答時間が短いのが特徴。画素ごとに表示/非表示を制御できるため,走査線数が増えても個々の画素を確実に動作させることができる。走査線数を増やしてもフレーム期間と同じ発光期間を確保できるため,パッシブ・マトリクス方式に比べて画面画素数を上げてもコントラスト比などの画像表示能力を保ちやすい。ただし,画素ごとにトランジスタやキャパシタを形成するため,製造工程が複雑になり,コスト高になる。
アクティブ・マトリクス方式といっても液晶パネルと有機ELパネルでは構造が若干異なる。液晶パネルの場合,透過率が各画素に印加する電圧に比例するのに対して,有機ELパネルの輝度は電流に比例する。このため,有機ELパネルでは液晶パネルで使っているような単純に表示/非表示を切り替えるだけのトランジスタではなく,十分な電流が流せるオン抵抗の小さいトランジスタが必要になる。
図 アクティブ・マトリクス方式の有機ELパネルの構造(日経エレクトロニクス2000年3月13日号より抜粋)