ほとんどの電子機器が搭載し,年間の生産個数が100億を超えるといわれる振動子や発信器の製品選択のポイントを解説する。指標になるのは,発振周波数や温度変化に対する精度など。マイコン用のクロック信号など比較的低めの周波数帯ではセラミック振動子が多用される。無線通信など高めの周波数帯で,なおかつ高い精度を求める用途には水晶振動子が使われることが多い。

 発振回路との微妙な調整が必要な高周波数帯の領域では,発振回路を統合した発振器が有力な選択肢となる。発振回路を自ら設計する場合には,半導体と振動子の整合性にも注意する必要がある。

 このほか,最近になってサンプル出荷が始まったSi MEMSの実用化動向にも関心が集まっている。 (菊池 隆裕)