「ミリ波向け送受信ICは,間もなくCMOS技術で実現できるようになる」(米IBM Corp.,Semiconductor Research and Development Center,Senior Engineer/ManagerのJohn J. Pekarik氏)。「CMOS/VLSI技術が60GHz/70GHz/80GHzといったミリ波領域の送受信回路の実現技術になりつつある。これは,1Gビット/秒を超える高速ホット・スポットをあちこちで実現できることを意味する。ミリ波通信の市場規模は,地球上の人口と同じくらい膨大になるだろう」(米Intel Corp.,Platform/Technology Architectureの技術者)。

 IBM社とIntel社は,相次いでミリ波領域へのCMOS技術導入についてその取り組みぶりを明らかにした。これまでも両者が内部で研究開発を進めていることは知られていたが,2006年6月11日から米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催された高周波無線技術に関する国際会議「2006 IEEE MTT-S International Microwave Symposium(IMS)」において,その技術検討の内容を発表した。いずれも既に送受信回路の技術検討を進めており,実用化を目前にしているという。従来GaAs技術やSiGe技術で実現していたミリ波通信の送受信回路をCMOS技術で実現することで,送受信回路のコスト低減を実現し,その応用範囲を広げる狙いだ。