ひたすら大容量を追求するNANDフラッシュ・メモリと比べると,NORフラッシュ・メモリの容量や機能は極めて幅が広い。起動用ソフトウエアの格納や超低価格携帯電話機に向けた16Mビット品から,携帯電話機の上位機種向けの512Mビット品まで多様な需要がある。特に携帯電話機向けは第3世代(3G)携帯電話が普及して以来大容量化が著しく,2006年末以降には1Gビット品が登場するもようだ。 (浅川 直輝)

 NORフラッシュ・メモリの品種を選ぶには,システムの電源電圧を1.8Vにするか3Vにするか,プログラムの容量はどれくらいか,プログラムの読み出し速度はどれだけ必要かなどの項目を考慮する必要がある。それだけでなく,システムのメモリ構成をよく考えた上で選ぶべきである。NORフラッシュ・メモリは疑似SRAMやSDRAMなど他のメモリと組み合わせて使うので,メモリ構成次第で用いる品種は大きく変わる。この点は,パソコンでは事実上SDRAMとHDDというひと通りの組み合わせしかないことと対照的である。