狙うは新興市場の30億人

第1部
世界市場での真っ向勝負が
生き残りの絶対条件に

 日本国内のエレクトロニクス・メーカーが活況に沸いている。「四半期ベースでは売上高,当期純利益共に過去最高」「1990年以来15年ぶりとなる高水準の営業利益」——2005年度第3四半期(2005年9月~12月)の決算を発表する各社からは,景気の良い発言が相次いだ。
 ITバブル崩壊の影響で2001年から下がり続けたエレクトロニクス・メーカーの株価も,2005年を境に急回復している。これを支えているのが,国内のデジタル民生機器市場の堅調ぶりである。技術立国・日本の屋台骨といえるエレクトロニクス・メーカーの強さは,すっかり復活したように見える。

第2部
急成長するBRICsの素顔を
エレクトロニクス市場にみた

 世界人口の4割強を占める潜在的な巨大市場BRICs(B=ブラジル,R=ロシア,I=インド,C=中国)。その将来性ばかりが注目されることが多いが,既にこうした国々の都市部ではデジタル民生機器の市場が急成長し,エレクトロニクス・メーカーにとっての重要性が増している。ところが,こうしたBRICs市場に関する情報は,圧倒的に不足しているのが現実だ。そこで,本誌の記者4人は,BRICs4カ国を同時期に訪問し,現地のエレクトロニクス市場を取材した。これらの消費地では今何が起きているのか。普段はうかがい知ることの難しい,BRICsの今をお伝えしよう。
 【中国】
 五輪と万博を契機に増える中間所得層
 【インド】
 目覚め始めた巨大市場,本格参入はまだ間に合う
 【ロシア】
 消費ブームに沸く街を埋め尽くす韓国ブランド
 【ブラジル】
 サッカーの国が迎えるデジタル民生機器元年