米E Ink Corp.は,他社に先駆けて「電気泳動型」の電子ペーパーを実用化した。同社の電子ペーパーを使った読書端末は既に製品化されており,2006年にはさらにその数が増える。今回は電子ペーパーの大きな用途である読書端末の実用化や同社の製品開発の動向を解説してもらう。 (根津 禎=本誌)

桑田 良輔
米E Ink Corp.
副社長 販売/市場開発担当

 以前は本や週刊誌などで読んでいた情報を,紙ではなくパソコンやPDA,携帯機器に表示した文書ファイルで読む様式が定着しつつある。しかし,紙の使用量は依然として多く,むしろ増加傾向にある。この一因は今までの表示端末は紙に近い使い勝手を消費者に十分に与えていないことと考えている。これまでの表示端末には,ディスプレイの視野角が紙よりも狭い,消費電力が大きい,強い衝撃を受けると壊れやすいなどの課題がある。