昇圧設備内のブレーカーが開放、売電できず

 この太陽光発電所では、容量250kWのPCSが1台設置され、そのPCSの出力電流は328Aでした。このため、昇圧設備内に接続されていた容量250Aのブレーカーのまま発電すると、PCSから出力された電流は過電流となり、昇圧設備内のブレーカーが開放してしまい、売電できなくなってしまいます。

 ブレーカーの容量を間違えていた原因は、修正前の図面を基に施工されていたことでした。そのため、後日、ブレーカーの容量を修正後の図面の通り、400Aのものに換えてもらいました。

 第12回第14回に続き、今回も、修正前の図面を基に施工されたことが原因で、誤りが生じた例になります。

 中部電気保安協会でも、竣工検査を担う場合、事前に図面を入手した時に、修正前の図面が届く可能性があります。こうした場合でも、修正前、修正後ともに、それぞれの回路の電流、電線の太さ、ブレーカーの容量などを把握することを徹底し、施工の間違いを見落とすリスクを下げるようにしています。

 今回の事例も、現地における図面との照合とともに、事前の図面の確認の重要性を再確認した事例となりました。

(次回は、9月4日(木)に掲載予定)