パワコンはTMEIC、架台は豪メーカー製

 同社は、徳島県阿波市でも、「阿波西ソーラーヒルズ発電所」のほか、すでに2カ所の建設計画を進めており、完成すると全部で8MWになる。いずれも四国GAが企画から開発、完成後のO&Mを担い、ハンファQセルズジャパンが建設して発電事業者となる。すでに2カ所目のサイトは安全祈願祭を済ませ、12月には完成する(関連記事)。

 「阿波西ソーラーヒルズ発電所」に常駐する岡本保安係長は、今後、市内に新たに稼働するメガソーラーの保安も担当することになる。「一人でどこまで担えるか、作業量を見つつ、場合によっては、増員も検討したい」と大塚理事長は言う。

 2013年7月に運転を始めた「阿波西ソーラーヒルズ発電所」は、順調に発電している。稼働して1年間の発電量は、予想発電量を17%も上回った。地元NPOが企画・開発し、EPCも徳島県の藤崎電機(徳島県阿南市)が担当したが、長期的な信頼性を重視し、主要設備は、国内外のトップブランド製品を設置した。太陽光パネルのハンファQセルズ製をはじめ、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製、架台には、オーストラリアのクリーナジー社製の杭基礎を採用した(図7・8)。

図7●東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製のパワーコンディショナー(PCS)を採用(出所:日経BP)
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図8●オーストラリアのクリーナジー製の1本タイプの杭基礎を採用(出所:日経BP)
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 岡本保安係長は、「発電は順調で、いまのところ1サイトだけの担当ということもあり比較的、時間には余裕がある。メガソーラーに常駐して毎日、監視している例は全国でも珍しい。この機会を利用し、今後に生かす意味で、メガソーラーの保守について、研究課題を持って取り組んでいる」と言う。その1つが、雑草対策だ。同発電所では、クローバーを植栽して、雑草を防ぐ試みをしているが、岡本保安係長が着目するのは、「パネルの下に雑草が生えることで、太陽電池の温度が下がり、発電量が増える可能性」についてだ。