図3●ソフトウエア制御システムのモジュール化の手順
実践 モジュラーデザイン』を基に作成。
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(3)ソフトウエアのモジュール化
 ソフトウエアのモジュール化は、入出力装置と入出力回路を含むソフトウエア制御システム全体のモジュール化の一環として行う。図3に、ソフトウエア制御システムのモジュール化の手順を示す。

 以下、図3の(i)~(v)に沿って説明する。

(i)表の左辺に制御システムの「入力装置」「入力回路」「プログラム機能」「内蔵データ」「出力回路」「出力装置」についてそれぞれ構成要素を列挙。
(ii)左辺に列挙した構成要素の記号を、同順で上辺に並べ、「○」などの記号を用いて上辺から左辺に情報が流れる形式のDSMを作成。さらにDSMの再配列機能を使い、論理のループ(信号の流れが循環している部分、図3中の陰影を付けた個所)、欠落(信号の流れが途切れている部分)、重複(信号の流れが重なっている部分)などの有無を検証した上で全体の論理を整合化する。「○」を入れたセルには、信号の入り方や処理の“振る舞い”をコメント(図3中の吹き出しを参照)として記入。
(iii)(ii)で明らかになった情報の流れに基づいて、左辺の各構成要素に入力されるデータと出力するデータを、「入力データ」「出力データ」欄に記述。
(iv)上記(i)~(iii)をプログラム行単位で“横にらみ”し、プログラム機能を自然言語によって記述した上でコーディング。
(v)左辺の各構成要素について、固定(標準化・モジュール化)にするか変動にするか、専用(個別機能製品専用)にするか汎用(ほかの機能製品と共用)にするかを決め、「モジュール化内容」欄に記述。汎用にするなら、汎用先の製品名を「汎用先」欄に記入。

 DSM Design Structure Matrixの略。システムを構成している要素をマトリックスの左辺と上辺に同じ順番で並べ、上辺から左辺に情報が流れる部分に記号(○や×など)や数値を記入することによって、構成要素間の複雑な関係を分かりやすく整理するツールである。