USB 3.0は,最大データ伝送速度を10倍以上にするなど大幅な機能拡張を果たした。新たな機能に対する期待感とともに,雑音対策やケーブルの太さなどへの不安の声も聞こえてくる。HDMIも携帯機器や車載機器への進出を狙うほか,ネットワーク機能の強化を図る。一方,パソコン業界では,DisplayPortの活動も活発化している。Intel社の支持をきっかけに,対応パソコンやモニターが増えていきそうだ。それぞれのインタフェース規格の最新動向をまとめる。
USB 3.0と,現行仕様であるUSB 2.0との大きな違いは,最大データ伝送速度である。5Gビット/秒と,USB 2.0の480Mビット/秒から10倍以上に引き上げた(図1)。
高速化により,外部記憶装置とのデータ転送にかかる時間を短縮できる。「外付けHDDでユーザーが重視するのは,記録容量と価格,それにスピード」(バッファロー)。HDDの記録容量が増大するに従い,転送時間の短縮を求める声が大きくなっていた。このほか複数の待機時モードを用意しており,消費電力の低減を強く意識した仕様になっている。
対応LSIは2009年夏以降
仕様が決まったことにより,ホスト・コントローラLSIや,USB 3.0の信号を受信してPCI Express信号を出力するブリッジLSI,あるいは周辺機器などの「デバイス」側に向けたコントローラLSIなどの開発が急ピッチで進んでいる。