講演する石見氏
講演する石見氏
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 「医師の集合知によって、医療を再発明する」――。全国に約30万人いる医師の4人に1人が利用する医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」。運営主のメドピア 代表取締役社長の石見陽氏は、同社のビジョンをそう語る。

 集合知を集めるプラットフォームとしての機能は実現しつつある。今後はその集合知から新たなヘルスケア基盤を生みだし、実臨床のアウトカム改善につなげる。ネットの世界から実世界へ、“第2の創業”に向けた取り組みを石見氏が語った。

医師の感情映す“鏡”に

 同氏は「ITヘルスケア学会 第9回年次学術大会&モバイルヘルスシンポジウム2015」(2015年6月6~7日、熊本市)の特別企画セッション「集合知・ビッグデータが医師や医薬関連企業のビジネスを変える」に登壇。「集合知、ビッグデータ、Health 2.0 ~医師7万人のサイト運営経験から見るITとヘルスケアの未来~」と題して講演した。

 MedPeerが現在、提供しているサービスは大きく4つある。(1)薬剤評価掲示板、(2)症例相談、(3)ディスカッション、(4)ポスティング調査である。(1)は薬版の“食べログ”。約2400種類に及ぶ薬剤について、処方の実感を医師が交換し合う。(2)は自分の専門外の症例について、その分野の専門家に意見を聞ける。(3)は文字通り、医師同士の自由なディスカッションの場。(4)は会員を対象とするアンケート調査などを実施する機能だ。これらのサービスを通じ、「医師の感情を映す鏡になるサイトを目指している」。